shizyukara2007-01-22


 今日は象を殺す日である。私は手に大きな木槌を持ち、脚立の上に立っている。私の目の前には引き出されてきた象の額がある。象は恐怖を感じさせない様、白い布で目隠しをさせられている。私は手に持っている木槌で象の額を打つ。象はコロリと死ぬ。今日はその様な祝祭の日であるらしい。殺してどうするのかは知らないが。


 しかし象の額は広いので、どこをどう打てば良いやらわからない。迷っていると象の額がなにかを察した様にピクリと動く。どうやら殺そうとしている事がばれてしまったようだ。そう思った瞬間、完全にやる気を無くしてしまう。


 なぜばれてしまったのかは解らないが、ともあれ私にとってこれは神事ではなくタダの虐殺になってしまった。こらもうダメだと脱力しながら周囲を見渡してみると、象が殺される瞬間を見に集まった大勢の人々が私を取り囲み、祝祭の瞬間を待ち望んでいる。


 これは大変に困った事になったと思っていると目が覚めた。