shizyukara2007-03-27


私はソ連邦のスパイである。日本に密入国している私はシャム双生児の老婆である上司の指令を受けて日本の宇宙開発技術の捜査をしていたところ、同じような目的で潜伏している各国の諜報員とナシ崩しに横のつながりを持つ様になる。
そこには日本の諜報員まで含まれているのだが、諜報員という職種を鑑みるとこれは特に驚くべき事には当たらないのであろう。


その旨を上司に連絡しに行くと、上司は分離手術を受けており二人になっている。
しかし互いにケンカばかりしていてとりつくシマがない。やはり同じポストに複数の人間がいるのは良くないようだ。
これでは仕事にならないのでどうしようかと思っていると、他の諜報員から我ら諜報員は横のつながりを持っており、かつ所有する情報の総量は任意の国家を上回っている。この際連合して超国家的な企業を起こそうではないかという話を持ちかけられる。


とここに至って国家の障壁を超えた宇宙開発が成り立ち、資本の効率的な集中の結果として人類は程なくして火星に基地を持つまでに至ったのであった。
私は現場調査のためバイクの様な乗り物で郵便ポストの様な格好をしたロボットのパーカーと共に火星に降り立つ。
するとそこにはうち捨てられた寺の墓場があり、よく見るとヒトダマが飛んでいる。
開発したばかりの火星に廃寺があるのは大変に不自然な光景である様に思えるのだが、墓場にヒトダマが飛んでいるのはそれはそれで自然な光景と言えるであろう。
パーカーは生まれて初めてヒトダマを見たらしく、「アー!キレイデス!」とか言って感動している。どうやらロボットには人間の霊魂は怖くも何ともないらしい。


小腹が減ったので近くのコンビニに行くと、知人が雑誌を立ち読みしている。