素晴らしき水伝

shizyukara2007-02-18

水からの伝言」という物がある。それによると水の結晶の形によって言葉の善し悪しを判断できるのだそうだ。


いやはや、これはまったく大発見である。なにしろこれを応用すれば世の中の面倒臭い判断を全て水にまかせる事ができるではないか。


この手法を用いれば、もはや選挙に行く必要はない。候補者が具体的な政策を水に語りかけ、その結晶の形で判断すれば良いのだ。これでもう、やかまし選挙カーとも、いちいち投票に行く手間ともオサラバであるし、だれでも平等一律に国家元首となるチャンスができる。素晴らしいのである。


裁判もこの調子で量刑を決められる。裁判官と弁護士と検事が水に語りかけ、そいつを凍らせてみればよいのである。また、政策も同様に水にお伺いを立てればよいのは言うまでもない。


この場合、人間の常識では無理無体な結果が出る可能性は充分あり得るのだが、移ろいやすい個人の判断などよりも水の判断の方が普遍的で正しい判断という事なのであるから、結果に文句を言う事は単なる個人的なワガママというものであろう。その個人の総量がいかに多かろうが。


さてこの様な素晴らしい発見が見いだされた以上、教育機関はこの業績がノーベル賞を受賞できる様に格段の取り計らいをしなくてはなるまい。教育の基礎となる初等教育で教えている学校もあるとの事だから、支援をするに当たって特に問題はないはずなのである。


その際少し気になるのは、「ノーベル」の前に二文字加えられた賞の方を受賞してしまう様な気がしてならないところなのであるが…。