動く侘び寂び

shizyukara2004-10-05

雨だ。秋の長雨という奴だろうか。こう家の中に閉じこめられていると、ふと車を持ち続けていても良かったかと思う時がある。

そういえば以前、海沿いの町を走っていたときに、目の前を古い型のボルボが走っていた事があった。弁当箱を二段に重ねたような形をしたその車は塩害のためなのか所々に錆が浮いてもうボロボロだったけど、周りの交通の流れなどどこ吹く風と言った様子でえらくゆっくりと走っていた。運転しているのはもうその車に何年となく付き合っているのだろう、ひげを生やした老人だった。車も乗っている人も古いが、その様子には何とも言えない上品さがあったのを覚えている。それは自動車がとても高価だった時代の残り香であったのかも知れない。

どうせまた車を持つのならその様な上品な自動車乗りになりたいとは思うのだが、越えなきゃならないハードルはかなり高そうである。