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夏祭りだ。私は夏祭りの行事に参加している。その行事とは参加者が町単位で電車ごっこのような列を作り、その列で別の町の列を妨害しながら神社まで突進、境内にある賽銭箱に触った者の町が勝利と言うゲームのような物なのであるが、参加者は皆本気であり、多少の怪我など物ともしないと言う大変に乱暴な行事である。
その行事は今まさに終盤を迎えており、私の町と他のもう一つの町が怒号とかけ声に満ちた境内で組んずほぐれつの大乱戦状態になっている。もう後一歩で賽銭箱に届く、と言うところで私の前の人が身を挺して道を空け、もみくちゃになりながらも「行けー！！」と私に叫ぶ。おおお！ここで行かなければ、このチャンスをものにしなければ男ではない！と私は自爆覚悟で頭から賽銭箱に突っ込む事を決心する。

その瞬間ベッドから跳ね起き、窓際に置いてある洗濯物入れのバケツに飛び込みそうになるが、すんでの所で現実に帰る。ここでバケツで頭を痛打し、打ち所の加減が悪くて死んでしまったりしたら「変死」と言うことになってしまったのであろうか。危なかった。